医療

メキシコの緊急避妊薬(アフターピル)と低用量ピル

こんにちは🌵
 メキシコで唯一日系企業が運営する医療機関サボテンファミリークリニックの日本人病院スタッフがお届けするメキシコ生活情報です。今日のテーマは「緊急避妊薬(アフターピル)・低用量ピル」についてです。メキシコにお住まいの日本人のみなさま、駐在や移住をご検討されている日本人のみなさまのお役に立てれば幸いです。

 日本では緊急避妊薬(アフターピル)、低用量ピル共に、女性が産婦人科医を受診し、購入が可能なものです。
今年2023年4月に、フィンランド・イギリス・フランスなどのいわゆる先進国では30年以上前から普及し始め、広く使われている経口中絶薬が日本で承認され、妊娠中絶の選択肢が拡大したことが話題になりました。そこで、このコラムでは、メキシコの緊急避妊薬(アフターピル)、低用量ピルの認識、中絶について解説します。

 緊急避妊薬と低用量ピルは、現代の医療技術が提供する重要な避妊手段です。

緊急避妊薬

 緊急避妊薬とは、72時間(3日)以内に緊急避妊薬(通称アフターピル、緊急避妊ピルともいいます)を服用することで、妊娠を防ぐことに役立つ薬です。

 メキシコでは、緊急避妊薬は比較的容易に入手可能です。薬局で処方箋なしで手に入れることができます。

低用量ピル

 少量の女性ホルモンが含まれる低用量ピルは、避妊や月経痛の改善などを目的に飲む薬です。

 メキシコでは、低用量ピルは比較的容易に入手可能です。種類によっては、飲み方を知っていれば薬局で処方箋なしで手に入れることができます。しかし、症状によって処方される種類が違うので、医師の診断・飲み方の説明を受け処方箋を持って薬局へ行くことをおすすめします。

文化と社会的な要素

 このようにメキシコでは、避妊薬に関しては、日本より比較的にアクセスしやすいです。しかし、メキシコの文化はカトリック教会の影響を受けており、避妊に対する考え方は保守的です。これにより、避妊薬のアクセスや使用が制限されています。メキシコの文化的背景には、ルの使用に対するタブーが根強く残っており、特に若年層の女性にとっては、避妊法の選択肢が制約されているので、使用している人が少ないのが現状です。また、メキシコでは未成年妊娠率が高く、十代の妊娠に関する問題が社会的な課題となっています。

中絶

 メキシコの中絶事情は、地域や州によって大きく異なる複雑な状況です。
メキシコの中絶法は州によって異なるため、全国的な統一された法律は存在しません。一部の州では中絶が合法であり、妊娠期間や条件を満たす場合に限り妊娠中絶が許可されています。例えば、メキシコシティは2007年に中絶合法化法を制定し、妊娠12週までの中絶が合法となりました。その他の州では、中絶は厳しく制限されており、違法な場合がほとんどです。グアナファト州でも中絶は認められていません。

性教育の普及が重要‼
日本も、メキシコも、より包括的な性教育プログラムで正しい知識、避妊薬のアクセス向上策の導入が必要とされています。

(H.M)

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