メキシコで唯一日系企業が運営する医療機関サボテンファミリークリニックの日本人病院スタッフがお届けするメキシコ生活情報です。今日のテーマは「膀胱炎」です。メキシコにお住まいの日本人のみなさま、駐在や移住をご検討されている日本人のみなさまのお役に立てれば幸いです。
膀胱炎とは?

膀胱は尿を一時的に溜めておくための器官で、尿が一定量を超えると収縮を起こして体外に排出する役割を担っています。膀胱炎とは膀胱内で発生した炎症によって膀胱の機能に異常が生じる病気で、その多くは膀胱内に細菌が感染することで発症します。
こうした機能が炎症によって正常に働かなくなることで、頻尿や排尿時の痛み、残尿感などのさまざまな排尿障害が引き起こされます。
メキシコの水道水に注意:


メキシコでは、水道水の品質が地域によって異なる場合があります。一般的には、外部の水源からの感染リスクが高いため、生の水道水を飲むことは避けるべきです。日本からの駐在者は、飲料水や料理にはボトル入りの水を使用するよう心がけましょう。また、歯磨きやシャワーの際にも水を誤って飲まないように気をつけることが重要です。
適切な衛生状態の維持:

膀胱炎の主な原因の一つは、細菌の感染です。メキシコの公共の場所やトイレは、清潔さに欠けることがあるため、自身の衛生状態には特に注意が必要です。外出先でトイレを利用する際には、トイレットペーパーを持参し、清潔な状態を保つようにしましょう。また、女性の場合は、前方からではなく後方から拭うことも膀胱炎の予防につながります。
適切な排尿習慣の確立:
排尿習慣の乱れも膀胱炎の原因となることがあります。メキシコでの生活では、トイレが利用できない場所にいることがあるかもしれません。しかし、我慢しすぎて尿を溜め込むことは避け、頻繁にトイレに行くよう心がけましょう。また、排尿後は完全に膀胱を空にすることも重要です。
水分補給の重要性:

十分な水分補給は、膀胱炎の予防になります。メキシコの気候は乾燥しており、特に夏場は脱水症状に陥りやすいです。1日最低1.5Lの水分を取るように心がけ、こまめに水分を摂りましょう。また、膀胱を洗浄する効果もあるクランベリージュースなどを取り入れることで、膀胱炎のリスクを軽減できます。

一般的に膀胱炎は男性に比べて、女性の発症者が圧倒的に多い病気として知られています。
膀胱炎が男性よりも女性に多く見られる理由には、この感染経路と女性の身体構造が関係していると考えられています。なぜなら女性の身体には、細菌が常在する膣と肛門が尿道口に隣接しているせいで細菌が侵入しやすいこと、そして男性よりも尿道が短いせいで細菌が膀胱まで到達しやすいことによって、図らずも膀胱炎を発症しやすい環境が備わってしまっているからです。また他にも、日常的に尿意を我慢する機会が多いこと、生理や性行為において膣などから細菌が移りやすいこと、妊娠や無理なダイエットなど免疫力が低下する機会が多いことなど、女性の膀胱炎には数多くの原因を想定することが可能です。一方で女性にとっては人に相談しづらく、病院を受診するタイミングが遅れがちになる病気でもあります。ほとんどの膀胱炎は薬物療法だけで比較的短期にて完治させることが可能なので、少しでも排尿障害を自覚したら、ためらわずに医療機関を受診することが大切です。
(H・M)