メキシコで唯一日系企業が運営する医療機関サボテンファミリークリニックの日本人病院スタッフがお届けするメキシコ生活情報です。今日のテーマは「ヘルパンギーナ」です。メキシコにお住まいの日本人のみなさま、駐在や移住をご検討されている日本人のみなさまのお役に立てれば幸いです。
ヘルパンギーナとは?
最近日本のニュースを見ると、「ヘルパンギーナ」の患者が急増し、警報レベルを超えた自治体も出てきているようです。皆さんはこの病気を耳にされたことがありますか?
ヘルパンギーナとは、手足口病と同じタイプのウイルスに感染することによって引き起こされる感染症で、大人も発症しますが、大多数が5歳以下の子どもを中心に夏季に流行する、いわゆる夏かぜの代表的疾患です。
ちなみに、この病名の由来は、ドイツ語の「水疱(ヘルペス)」と「喉の炎症(アンギーナ)」からきており、その名の通り、喉の痛みと口腔粘膜に水疱性の発疹があらわれるのが特徴的な病気です。
なお、現在のところ、ヘルパンギーナを根本的に治す治療薬や予防接種はないため、基本的には免疫の働きによって自然に治るのを待ちます。必要に応じて、症状を緩和する対症療法を行います。

ヘルパンギーナの主な症状
ヘルパンギーナの主な症状には、以下のものがあります:
- 発熱: 3~6日の潜伏期を経て突然発熱し、一般的には38℃以上の発熱が現れます。また、高熱に伴って意識障害やけいれんが起こる「熱性けいれん」が現れることもあります。
- 喉の痛み: 発熱に続いて、喉の痛みが出てきます。
- 喉の赤み: 喉が赤くなり、腫れることがあります。
- 口内の潰瘍: 主に口の中やのどに、直径1~2mm、大きいもので5mm程度の水疱(水ぶくれ)や潰瘍ができて、痛みを伴います。特に口蓋や扁桃腺周辺に多く見られます。
- 食欲減退: のどの痛みが強いために、食事や飲みものを受けつけなくなることから、脱水症などを伴うことがあります。

ヘルパンギーナの感染経路
ヘルパンギーナの主な感染経路は、飛沫(ひまつ)感染、接触感染、経口感染の3つです。
1. 飛沫感染
感染した人のせきやくしゃみ、会話などで飛び散った飛沫(しぶき)を吸い込むことで感染します。
2. 接触感染
感染した人や、ウイルスが付着した物と接触することで感染します。タオルの共用や、プールの水が目の結膜に触れることでも感染します。
3. 経口感染
ウイルスが、手や指を介して口に入って感染します。排便後や乳幼児のおむつ交換したあとなどに、手洗いや手指の消毒をしっかり行わなかったり、不十分な場合に、感染するおそれがあります。



かかってしまったら?
ヘルパンギーナに対する特効薬はありませんが、口の中にできた潰瘍に対して鎮痛解熱薬で痛みを和らげたり、粘膜保護剤の軟膏などが処方されることがあります。
のどに痛みがあるので、オレンジジュースなどのような刺激のあるものは避け、のどごしの良い少し冷たい飲みものがおすすめです。(例: 冷たいお茶や牛乳、冷めたスープなど)
食べものは、刺激が少なくかまずに飲み込めるものにしましょう。(例: ゼリーやプリン、冷めたおかゆ、豆腐など)約5日程度で治ります。
・刺激のあるものは避けて、のどごしの良い冷たい飲みものを与えましょう!
・かまずに飲みこめる、刺激の少ない食べものを与えましょう!
ヘルパンギーナの予防法
多くの感染症の専門家は、新型コロナが季節性インフルエンザ並みの扱いになってから、マスク着用や手洗いなどの身近な感染防止策が徹底されなくなったことなどを挙げています。
ヘルパンギーナは、飛沫や手指を介して感染するので、十分な手洗いと手指消毒が大切です。マスクの着用としっかり手洗い・消毒し、感染をストップさせましょう!



T.T
ヘルパンギーナの症状が出た場合は、サボテンファミリークリニックへご相談ください
メキシコに3院(レオン・イラプアト・ケレタロ)展開中の当院は、お子様から大人までの一般診療(内科、小児科ほか)、皮膚科、眼科、婦人科、泌尿器科等の初期対応、健康診断、各種予防接種ワクチンにも対応した日本人医療通訳常駐の総合診療クリニックです。
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