医療

メキシコ生活で気をつけたい高血圧と低血圧

 メキシコで唯一日系企業が運営する医療機関サボテンファミリークリニックの日本人病院スタッフがお届けするメキシコ生活情報です。今日のテーマは「血圧」です。メキシコにお住まいの日本人のみなさま、駐在や移住をご検討されている日本人のみなさまのお役に立てれば幸いです。

 血圧

「血圧」とは、心臓から送り出された血液が、血管の内壁を押す力(圧力)のことをいいます。

細動脈が通常
細動脈が拡張する。(=血圧が下がる)
細動脈が収縮する。(=血圧が上がる)

 高血圧

高血圧の原因

  1. 漬物・汁物・干物・加工品などの塩分の多い食べ物を食べる頻度が多い
  2. 肉食が中心で、魚(特に青魚)を食べることが少ない
  3. 野菜・海藻・きのこ類はあまり食べない
  4. 甘い飲み物・甘いお菓子は欠かさず食べている
  5. タバコを吸う
  6. アルコールを飲むことが多い
  7. 朝食は食べない
  8. 運動は全くしない
  9. ストレスがある

 メキシコの食生活は、2,3,4のように日本に比べて高血圧の原因となる要素がたくさんあります。
また、慣れない環境での生活・仕事でのストレスも高血圧になりやすい要因です。

標高が高いと…


 標高が高いメキシコ中央高原エリアでは、一般的に血圧が上昇する傾向があります。これは、酸素の濃度が低くなるため、身体が酸素を効果的に取り込むための適応として血圧が上がることが原因です。これは、一時的な状態であり、通常は身体が適応するために数日から数週間かかり、徐々に血圧が調整されます。
 ただし、既に高血圧の方や心臓疾患を抱えている方は、高標高地域での血圧の変化に敏感である可能性があります。そのため、高血圧の既往症があり、メキシコに出張・駐在予定の方は注意が必要です。

高血圧は何がいけないの? 


 高血圧は、血液を高い圧力で送り出しているため、心臓にも大きな負担がかかります。 また、この状態が長く続くと、動脈硬化(血管が弾力性を失ったり、血管の内腔が狭くなる状態)が進行したり、心臓肥大が起こり、大きな病気の原因となります。

 低血圧

 高血圧と違い、低血圧は、血圧が低いことがそのまま病的な状態であるとはかぎりません。
低血圧が疾患として問題になるのは、血圧の低下により各臓器へ送られる血液量が減少し、種々の自覚症状や臓器の機能障害が発現した場合になります。

症状
 低血圧の人が訴える症状は、立ちくらみ、めまいが一番多く、朝起き不良、頭痛・頭重、倦怠感・疲労感、肩こり、動悸、胸痛・胸部圧迫感、失神発作、悪心などの順に起こります。

メキシコでは

 例えば、メキシコシティに住んでいて、カンクンに行く場合など、標高の変化から低血圧となり、めまいや倦怠感が生じることがあります。

 対策

1.規則正しい生活をする:過労・ストレスを避け、適度な休息・十分な睡眠をとって、規則正しい生活をするように心がけて下さい。
2.適度な運動をする:適切な運動は、血圧を下げ、心血管の健康を促進する助けとなります。低血圧症の場合も、筋肉の鍛え方が足りないとか、長時間の起立に慣れないなどの、肉体的、精神的な訓練不足が原因の場合があるので、適切な運動が必要です。
3.水分を多めにとる:メキシコは乾燥しています。水分は多めにしっかりととり血流を良くしましょう。
4.バランスのよい食事:偏食を避け、食物繊維、ミネラル、ビタミンの豊富な食品をとり、バランスのよい食事をするよう心がけて下さい。
5.温度差に注意:部屋を暖め過ぎたり、冷やし過ぎたりせず、戸外との寒暖の差をあまりつくらないよう、室温を調節して下さい。

 血圧は、健康を支える重要な指標です。私達の生活習慣と深く関わりがあります。適切な血圧管理は、健康問題を予防し、より健康的な生活を送るために欠かせません。定期的な健康診断によって、血圧や関連する健康問題を早期に発見し、適切な対策を取ることができます。また、医師や専門家からの助言や指導を仰ぐことで、個別の健康状態に合わせた適切な管理方法を学ぶことができます。

(H・M)

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