こんにちは🌵
メキシコで唯一日系企業が運営する医療機関サボテンファミリークリニックの日本人病院スタッフがお届けするメキシコ生活情報です。今日のテーマは「抗生物質の副作用」です。メキシコにお住まいの日本人のみなさま、駐在や移住をご検討されている日本人のみなさまのお役に立てれば幸いです。
抗生物質とは…?

細菌感染症の治療において重要な役割を果たす医療薬です。(風邪、インフルエンザ、鼻水を引き起こすウイルスに対しては抗生物質は効きません。)しかし、抗生物質の使用には副作用のリスクも伴います。本稿では、抗生物質の一般的な副作用について詳しく説明し、患者や医療従事者が適切な知識を持ち、慎重な使用を心掛けることおすすめします。
1.アレルギー反応
抗生物質は、薬物アレルギー反応を引き起こす可能性があります。特にペニシリン系抗生物質は、多くの人々にとって最も一般的なアレルギーの原因となります。アレルギー反応の症状には、発疹、かゆみ、蕁麻疹、呼吸困難などがあります。重度の場合、アナフィラキシーショックを引き起こし、命に関わることもあります。

2.腸内フローラの変化
抗生物質は、感染を治療するために有益な細菌だけでなく、腸内の健康な細菌も殺菌します。これにより、腸内フローラのバランスが崩れ、腸内環境が変化する可能性があります。この状態は、下痢や腹痛などの消化器症状を引き起こすことがあります。また、抗生物質の長期使用は、腸内フローラの回復を妨げることもあります。
さらに深刻な副作用…
■耐性菌の発生
抗生物質の過剰な使用は、耐性菌の発生を促す可能性があります。これにより、本来効果的だった抗生物質が効かなくなり、感染症の治療が難しくなる場合があります。耐性菌の広がりは公衆衛生上の深刻な問題であり、抗生物質の適切な使用が求められます。
■漸増(ぜんぞう)性耳毒性
一部の抗生物質は、聴覚に悪影響を及ぼす漸増(ぜんぞう)性耳毒性を引き起こす可能性があります。特にアミノグリコシド系抗生物質は、長期間使用した場合に内耳の障害を引き起こすリスクがあります。この副作用は、高用量や腎機能障害を持つ患者においてより顕著に現れることがあります。
■抗生物質関連の腸炎
一部の抗生物質は、特にクロストリジウム・ディフィシル(C. difficile)という細菌の増殖を引き起こすことがあります。これにより、抗生物質関連腸炎と呼ばれる症状が現れます。主な症状には、下痢、腹痛、発熱があり、場合によっては重篤な合併症を引き起こすこともあります。

抗生物質は、細菌感染の治療において不可欠な薬剤ですが、副作用のリスクも存在します。これらのリスクを最小限に抑えるためには、抗生物質の適切な処方、適正な服用、医師の説明指示の遵守が必要です。
(H・M)